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「少年少女 世界の名作文学」読書ノート

(バックナンバー1)

∞∞∞∞∞∞ 「少年少女 世界の名作文学」読書ノート ∞∞∞∞∞∞∞
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       第1号 アラビアン=ナイト
                        2003.10.26
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 少年少女世界の名作文学、ついに刊行開始であります。
 まずは、最初にふさわしく、物語の原点・アラビアン=ナイトであります。
 現在NHKで再放送中の『ひょっこりひょうたん島』でアラビアン・ナイト
の巻をやっていることでもあり、また、少し前、バグダッドという都市がニュ
ースによく出てきていて、文化遺産が破壊されている、といったことを聞いた
ことでもあります。

 バグダッドという都市の名前は、幼い頃、『アラビアン=ナイト』の物語に
よく出てきていたように思います。
 ともかく、アラビアン=ナイトの物語は、幼い頃の郷愁を誘い、今また再読
したいと真っ先に思いついたわけです。

 小学巻版少年少女世界の名作文学(50巻版)(以下、名作文学50巻版)と、
同じく少年少女世界の名作(55巻版)(以下、名作55巻版)を比べてみます。
 ともに、古典編1として、第1巻に収録されています。
 驚いたことに、全く違っていました。

 名作文学50巻版では、平塚武二が訳していますが、名作55巻版は、藤原一生
の訳です。
 しかも前者は200ページ近くに渡って、14の物語を紹介しておりますが、後者
では100ページ・4つの物語と、抜粋されております。

 平塚武二さんは、『馬ぬすびと』という作品で知っております。私が子ども
の頃、推薦図書としてよく名前が出る本でした。私の学校で使っていた教科書
には載っていませんでしたが、他の教科書には載っていたらしく、「教科書に
出てくる本」というシールがついたポプラ社文庫の『馬ぬすびと』を買っても
らったことがあります。

 平塚訳の方は、「〜いた」「〜した」という簡潔硬質の文体で、藤原訳の方
は、「〜しました」という軟らかめの文体です。どちらにも味があっていいの
ですが、藤原訳の方は、より低学年を意識した文体といえましょうか。

 内容の方は、藤原訳の方が収録作品数が少ない分、詳しくなっています。こ
れは、平塚訳が抄訳してはしょったということでしょうか。
 ただ、原典とした版が違う、ということも考えられます。

 例えば、『アラジンのランプ』を例にすると、指輪の魔人が出てくる指輪を、
平塚版では、ランプと一緒に取って来たことになっていますが、藤原版では、
魔法使いからもらったことになっています。

 また、物語の最後のアラジンと魔法使いの対決のシーンも、全く違っていま
す。
 こういった違いを比べてみるのも面白いので、今後紹介していく作品も、
読み比べをやっていくつもりです。

 

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 さて、『アラビアン=ナイト』といえば、真っ先に思い出すのは、『アリバ
バと40人の盗賊』『アラジンのランプ』『シンドバッドの冒険』でしょう。
『アリババと40人の盗賊』は、殺人シーンが多く、結構凄惨な物語でした。

『アラジンのランプ』は、面白く、楽しい物語です。何と、両版とも、舞台は
中国ということになっています。
 私は今まで、アラビアやバグダッドが舞台だと思っていました。

 アラビアン=ナイトは、中国やインドの物語も入っているというそうですが、
この物語も中国が舞台だったとは。
 藤原版の挿絵では、アラジンは辮髪で、王様やお姫様も中国風の着物を着て
います。しかし、魔法使いやランプの魔人はアラビア風の服を着ています。
 バートン版によったという平塚版の挿絵は一枚しかありませんが、こちらの
方はアラジンはターバンを巻いてアラビア風の服装です。考えてみれば、アラ
ジンという名前の中国人が果たしているものでしょうか。

 土地に関することについて付け加えると、平塚版では、魔法使いの国はアラ
ビアということでしたが、藤原版では、アフリカということになっています。
 中国からアラビア、アフリカと、スケールの大きな物語です。

 子どもの頃から思っていたのですが、『アラジンのランプ』で面白いのは、
指輪の魔人とランプの魔人という、2人の魔人が出てくることです。タイトル
を見れば分かるように、ランプの魔人の方が有名です。強さから見ても、ラン
プの魔人の方が強いようです。

 ランプを奪った魔法使いの命令で、ランプの魔人は、アラジンの御殿ごと、
お姫様を魔法使いの国へ運んでしまいます。途方に暮れたアラジンが偶然手を
こすると指輪の魔人が出現し、今まで忘れていた彼のことを思い出します。
 忘れちゃんなよ!

 アラジンは、指輪の魔人に御殿を戻すように命じますが、ランプの魔人の魔
力の方が強いのでそれはできない、と断り、アラジン様を御殿まで連れて行く
くらいならできます、と背中に乗せて連れて行きます。

 子どもの頃から判官びいきといいますか、マイナー好みで、主役の方ではな
く脇役の方に目が行っていた私は、どうもこの指輪の魔人さんが好きでした。
 有名なランプの魔人が現れる前、一回だけ現れてアラジンを助け、その後忘
れられていた指輪の魔人。
 ランプの魔人がいなくなってから再び現れてアラジンを助けた指輪の魔人。
 能力的には劣っていて普段は忘れられている存在でも、ピンチの時に現れて
助ける。何においても、こういう存在は必要でしょう。

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『シンドバッドの冒険』も、名前は有名ですが、いざ読み返してみると、ほと
んど知らなかったことに気付きました。島に上陸したら実は亀だった、という
エピソードと、ロック鳥(平塚版ではルク、藤原版ではロク)に乗ることだけ
がかろうじて知っていたような気がします。

 平塚版ではシンドバッドは7回航海したことになっており、7つのお話が語
られていますが、藤原版では最初の2回分しか収録されていません。しかし、
描かれたエピソードを比べてみると、藤原版の方が詳しく描かれています。

『シンドバッドの冒険』といえば、私が物心つくかつかないかの頃、連続TV
アニメとして放送されていました。
 今はなくなった商店街で、シンドバットの絵が印刷された財布を買ってもらっ
たことを覚えております。

「アラビアンナイト シンドバットの冒険」というセリフで始まるオープニン
グは、部分的に覚えております。
「旅に出かけるシンドバット いつかはこいつも思い出さ
 飛び出せ飛び出せ シンドバット」
 何と夢のある歌詞でしょうか。

 シンドバットの道連れに、アリババというお兄さんがいて、これはあの『ア
リババと40人の盗賊』のアリババかな、と思っていました。また、「これも
皆アラーの神の思し召しじゃ。ディーシャラー」と言うのが口ぐせの、信心深
いおじいさんもいました。アラーの神という名前は、このアニメで初めて知り
ました。他に、シンドバットは鳥を飼っていたと思います。

 番組のことはほとんど忘れましたが、火の魔人、水の魔人、油の魔人、氷の
魔人など、6つの魔人が登場するエピソードを覚えています。
 このうち火、水、油の3体が一度に襲ってきて、シンドバットが
「どうせやられるのなら、一番強いやつにやられたい」
と言うと、おれが一番強い、と主張した火と水の魔人が仲間割れをして同士討
ちをするのを、おっとりした油の魔人が「ア……」と言いながら見ていたエピ
ソードを覚えております。
 怪獣物、好きでした。『仮面の忍者赤影』も、怪獣が出てきたり、怪獣同士
が戦ったりするエピソードは印象に残っています。

 このアニメ、もう一度見たいですね。やはり同じ頃、物心つくかつかないか
という時に見ていた、同じような名作アニメで、『小さなバイキング ビッケ』
という作品も気になっていたのですが、これは最近、私が住んでいる地区の地
上波テレビ局でめでたく再放送され、見ることができました。
 最近、世界名作劇場が再評価されています。あのシリーズ以外の名作アニメ
にも、いいアニメがありますので、再発見・再評価されてほしいですね。

 

(完訳版への道)

★アラビアン=ナイトは、王妃シェへラザード(シャーラザッド)が王様に話
した千一夜の物語という枠構造を持っている。王様と王妃の対話という部分も
興味深い。
★舞台となる各地の風俗の描写に注目したい。
★アラビアン=ナイトは、何種類かの版が存在する。読み比べるのも面白い。
★アラビアン=ナイトは、元来児童文学ではなく、大人が読む物語である。
  完訳版では、艶っぽい描写もあるであろう。
  その辺の落差も楽しみたい。

 

(ヒトはなぜ文学するのか)

●シェへラザードは王様に物語をすることで命びろいし、王様の乱れた心を癒
すことができた。芸は身を助く。


 ということで、今日のつれづれ語りはここまでといたします。
 次回は、11月9日、『シートン動物記』を取り上げる予定です。

 

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