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「少年少女 世界の名作文学」読書ノート

(バックナンバー6)

 「少年少女 世界の名作文学」読書ノート 
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第6回配本 フランダースの犬
                        2004.03.14

 USO SAKAIです。
 また1回発行を飛ばしてしまいました。
 これからもこのようなことがあるかもしれませんが、ご容赦下さい。

 今回の作品は、『フランダースの犬』です。
 私が利用する図書館には、少年少女世界の名作文学(50巻版)は全巻揃っている
のですが、ワイドカラー版少年少女世界の名作(55巻版)は部分的にしかありません。
 このメルマガでは、両方に掲載されている作品を読み比べたいので、55巻版を検索
しながら取り上げる作品を決めることになります。

 『フランダースの犬』がイギリス編に収録されていたのが意外でした。私はこの
作品は、オランダの作品だとばかり思っておりました。
(実際は作者はイギリス人であり、英語で発表された作品で、ベルギーを舞台と
した作品でした。)

   書誌的事項 ◇◇  

 少年少女世界の名作文学(名作文学50巻版)6 イギリス編4(1965年)
   『フランダースの犬』 ウィーダ 原作
                 田島準子 訳・文
                 霜野ニ一彦 絵

 少年少女世界の名作(名作55巻版)7 イギリス編5(1972年)
   『フランダースの犬』 ウィーダ 原作
                 田島準子 文
                 南波昌子 絵

  ◇    ◇    


 現在、『名作アニメ主題歌ベスト20』を聴きながら書いております。
   http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005EQ6X/nazegaku-22

 『フランダースの犬』の主題歌「よあけのみち」は素晴らしい。

 ラララ ラララ ズィンゲン ズィンゲン……

という繰り返し部分が特にいいですね。

草原のマルコ」も、壮大なスケールを感じさせる名曲です。
 ケーナ独奏が入ってフォルクローレ風になっているのも芸が細かい。
 続く「ロックリバーへ」もいい。
 ただ、西田ひかる幻のデビュー曲と言われている「小公子セディ」の主題歌「
くらのセディ」は入ってません。

 また、このCD、オープニングテーマ(はじめのうた)しか収録されていません。
 エンディング(おわりのうた)が入ったCDもあります。
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005ENJX/nazegaku-22

 また、今年に入ってから、挿入歌まで収録された3枚組・全3巻の集大成CD
発売されているようです。
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 『フランダースの犬』といえば、あの「世界名作劇場」を思い出します。
 日曜夜7時半からフジテレビ系で、20年にわたって放映された長寿シリーズで
す。
 どの作品を見て育ったかで年代が分かる。
 私にとっては、物心ついた時に放映されていたのが『アルプスの少女ハイジ』だ
ったため、名作劇場といえば「ハイジ」が第1作、「フランダースの犬」が
第2作、……と思っておりました。
 実際は1969年の『ムーミン』に始まり『アンデルセン物語』『ムーミン(2作目)
山ねずみロッキーチャック』とあり、『アルプスの少女ハイジ』につながり、
そして1996年の『家なき子レミ』で終わるそうです。
(しかし、上に挙げたCDはなぜかみな、「フランダースの犬」から始まっている
……??)

 私は『ペリーヌ物語』までは見ていましたが、その次の『赤毛のアン』が始まると、
アンの顔も主題歌も好みでなかったので(『アン』の製作関係者並びにファンの方、
申し訳ありません)、それ以降見ることはありませんでした。
 その後大学時代に『赤毛のアン』の原作を完訳で読んで、すごく面白くて夢中に
なりました。
 「アン」の主題歌「きこえるかしら」も、今聴くと、通向きの渋い曲です。

 最近、私の住む地区の地上波ローカル局で、早朝に『トム・ソーヤーの冒険』を
再放送していて、目覚まし代わりに見ていたのですが、非常に面白かった。
 今思うと、私にとって、「世界名作劇場」からの“卒業”は少し早すぎたようで
す。


思い出の世界名作劇場オフィシャルガイド―感動の全23作品のすべてがここに!
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 『名作アニメもうひとつの物語
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  復刊ドットコム 世界名作劇場復刊特集
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 今回、2つの全集版を読み比べてみました。同じ方(田島準子さん)が訳されており
ますが、後から出た55巻版の方は、新たに書き直しております。

>ネロにはパトラッシェのほかに、もうひとり、なんでもうちあけられる仲のよい
友だちがあった。その子はアロアといって、丘の上の、色のさめた赤い風車のある
家の少女だった。/


となっていたのが、新しい55巻版では

>パトラッシェのほかに、ネルロには、もうひとり、なかのよい女の子がいました。
その子は、おかの上の、赤い風車のある家に住んでいる、アロアという、美しい
少女でした。/


という風になっております。
 55巻版の新訳の方がこなれた感じがします。文末が「〜でした」という風に優
しくなっているのも読みやすい。
 ただ、主人公の名が「ネロ」から「ネルロ」と表記が変わったのはなぜでしょう
か。

 TVでは主人公の名は「ネロ」と言っているように聞こえましたが、小学館の学習
雑誌では「ネルロ」と表記されていて、変に思ったことを思い出します。
 なお、ネロネルロ)は愛称で、ネロの本名はニコラスだという。へえ〜〜。

 また、TVではネロは最初から成長しておりましたが、原作では、パトラッシェ
を見つけた時は3歳です。
 パトラッシェやおじいさんやアロアとの楽しい日々を送りながら成長していくわ
けですから、幸せな時期がTV版より長く続いているということで、少しほっとし
ます。

 アロアの父親のコゼツは、アロアがネロと会うのを禁じます。ネロを好いている
アロアアロアの母親は、不満ながらその命令に従います。
 この頃は父親の力は強かったんですね〜。今なら、父親より娘や奥様の方が強く、
いくら父親が娘の交際を禁じようとしても従うかどうか……。

 画家目指してひたむきに絵を描くネロ。成功を願わずにはいられません。
 しかし、放火犯と疑われたり、おじいさんの死、牛乳の売上不振、村人の冷たい
目、借家を追い出されるなど、試練が次々と襲い、最後の希望だった絵画コンクー
ルにも落選し、絶望して命を絶ちます。
 その翌朝、コゼツアロアが現れ、コゼツは冷たい仕打ちを反省します。
 さらに、ネロの才能を見込んだ町の有名な画家も現れますが、これも遅かりしこ
とでした。

 当時のネロの心理状態のことを思うと、そこまで追い詰められるのも仕方ないこ
とかと思われます。
 最後の日の朝、以前の知り合いの家でパトラッシェのためのパンくずをもらおう
として追い返されているんですから。

 自分一人ではどうすることもできないくらい絶望的な状況でも、他人から見れば
まだ希望がある状況ということもあり得ます。
 だから相談できる相手がいればいいのですが、ネロは本当に一人でした。アロア
アロアの母親は、コゼツによって隔離されているわけです。

 最後の夜、ネロはコゼツ金の袋を見つけ、届けます。ゆっくりしていけという
アロアアロアの母親の声を振り切って飛び出し、教会で最後を迎えます。
 金袋を届けたのだから、恩着せがましく居座ることもできたはずです。
 あそこでもう少し長居をしてコゼツと仲直りしていたら、画家への弟子入りもか
ない、アロアやアロアの母親が思い描いたような幸せを得ることができたはずです。
 しかし、あの年代の潔白な正義感理想主義、或いは頑固さというのがアロア達
の好意を拒否したのでしょう。

>ふたりは、ゆめうつつのうちに、むかしの楽しかった日のことを、思いうかべて
いました。おじいさんは、元気でにこにこしながら、畑にまめをまいたり、花をつ
くったりしていました。ふたりは、花の咲きみだれる牧場で、追っかけっこをした
り、運河の岸のとうしん草のかげにねころんで、大きなふねや小さなふねがすべっ
ていくのをながめたり、花輪をつくって首にかけたりしていました。思いだすのは、
楽しいこと、うれしいことばかりでした。/


 私が好きなシーンです。この描写で思いだすのは、TV版テーマ曲の「よあけの
みち」です。パトラッシュと歩いたこの道とは、このシーンのことを歌っているの
でしょうか。

 世俗的な幸せは得ることができなかったネロですが、ルーベンスの絵の下でネロ
とパトラッシェは幸せに息を引き取ったのです。


(フランダースの犬への道)
★1975年の名作劇場TV版、1997年に松竹からリメイクされた映画版、1992年の日
本テレビ/東京ムービーによるテレビ新シリーズ、と比べてみよう。
★普段あまり見ることのできないアントワープの町の描写を楽しもう。
★作者のウィーダは、波乱に満ちた多面的な人生を送ったようです。
 今回読み比べた2つの全集では、作者紹介は別々の人が書いているのですが、こ
れが同じ人について書いたものかと思うくらい、違った印象を受けます。
 作者について考えてみるのも面白い。


(ヒトはなぜ文学するのか)
●この物語をただ「かわいそうないい話だねぇ」で片づけているだけでは能がな
いとは思うのですが、では一体どう考えていけばいいのか……。
 なかなか難しい問題だ。

 実際のところ、『フランダースの犬』についてはTVアニメ版は初回放送時に1回
見たきりでほとんど忘れており、原作を読んだのは今回が初めてという私が最も
印象に残ったのは……。
 ティールーム(掲示板)に書き込みました。
     http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=view&bbsid=5683&mid=23

 少年少女世界の名作文学 ティールーム (掲示板)のお知らせ

 懐かしの名作の思い出話、作品論、雑談など、気軽に書き込んで下さい。
 かの有名なワンダーランドのティーパーティーのように、ここでは25時間中、ティータイムです。
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 さて、ここでクリックアンケートにご協力お願いします。
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日曜夜7時30分の世界名作劇場といえば、何を思い出しますか。

ムーミン(1969〜1970、1972)     17人 16%

アンデルセン物語(1971)        0人 0%

山ねずみロッキーチャック(1973)   1人 1%

アルプスの少女ハイジ(1974)     30人 28%

フランダースの犬(1975)        11人 10%

母をたずねて三千里(1976)       6人 6%

あらいぐまラスカル(1977)        8人 7%

ペリーヌ物語(1978)            2人 2%

赤毛のアン(1979)             5人 5%

トム・ソーヤーの冒険(1980)       2人 2%

ふしぎな島のフローネ(1981)       7人 7%

南の虹のルーシー(1982)         0人 0%

わたしのアンネット(1983)         0人 0%

牧場の少女カトリ(1984)          0人 0%

小公女セーラ(1985)            9人 8%

愛少女ポリアンナ物語(1986)       2人 2%

愛の若草物語(1987)            3人 3%

それ以降の作品(コメントお願いします)  4人 4%


開始日:2004年03月14日/締切日時:2004年03月22日18時
投票数:107票  コメント数:11件

★協力:メールマガジンをおもしろくする『クリックアンケート』
         →→  [ http://clickanketo.com/ ]
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◇コメント紹介
No.1 (2004年03月18日22時03分36秒) お名前:なぜ学.COM

 メルマガ最新号では、『フランダースの犬』を読んでみました。
 なぜか話が世界名作劇場の方に脱線してしまい、このアンケートを実施することにしました。
 私が物心ついた頃に放送していたのが、『アルプスの少女ハイジ』なので、私にとって世界名作劇場とは、「ハイジ」から始まったものでした。
● アルプスの少女ハイジ(1974)

No.2 (2004年03月19日00時30分22秒) お名前:コマンダーインチーズ

 そのせいでアライグマが各地で野生化して、困ってはいるのだが。 ● あらいぐまラスカル(1977)

No.3 (2004年03月19日00時36分23秒) お名前:らら

 「ラッシー」とにかくつまんなかった。● それ以降の作品(コメントお願いします)

No.4 (2004年03月19日01時25分39秒) お名前:カナック

 長年海外に住んでいますので、わかりません。

No.5 (2004年03月19日02時44分39秒) お名前:しろつめくさ

 七つの海のティコorトラップ一家物語 ● それ以降の作品(コメントお願いします)

No.6 (2004年03月19日03時18分17秒) お名前:Na-na

自分では途中で見なくなりましたが。
妹・弟がずっと後まで見てましたが。
どうも、トム・ソーヤで終わったかな、と思います。
あとは良い原作不足だったのでしょうか。

No.7 (2004年03月19日07時34分28秒) お名前:ひろき(H.O.)

 もうひとつの名作は、まだ系列局もなかったので、同じ時間ではなかったと思います。 ● アルプスの少女ハイジ(1974)

No.8 (2004年03月19日22時52分54秒) お名前:おみっちゃん

やっぱりハイジかな、記憶はこのハイジから覚えているし。
だけどこう題名を見ると殆ど見て居たんだなぁ・・・。
ただ、悔いが残るのはフローネの最終回を見逃した事!
今でも悔やんでいる・・・。
● アルプスの少女ハイジ(1974)

No.9 (2004年03月19日23時08分37秒) お名前:Cathy

 此れらの中では「ム−ミン」しか見た事がないから ● ムーミン(1969〜1970、1972)

No.10 (2004年03月21日01時39分23秒) Lお名前:R

「南の虹のルーシー」以降の記憶はないなあ。 ● 山ねずみロッキーチャック(1973)

No.11 (2004年03月21日11時41分07秒) お名前:やまん

「名犬ジョリー」を思い出したのですが、いつ放送されたのか、
どの時間帯だったかハッキリ思い出せません。
● それ以降の作品(コメントお願いします)

                       投票・コメントありがとうございました。
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   なぜ学読書調査
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『フランダースの犬』を読んだことありますか。

完訳版で読んだことある   11人 13%

縮訳版で読んだことある    3人 3%

絵本で読んだことある     26人 30%

ない                47人 53%

その他(コメントお願いします)  1人 1%


開始日:2004年03月14日/締切日時:2004年03月22日18時
投票数:88票  コメント数:6件

★協力:メールマガジンをおもしろくする『クリックアンケート』
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◇コメント紹介

No.1 (2004年03月18日21時59分19秒) お名前:なぜ学.COM

 メルマガ最新号では、『フランダースの犬』を読んでみました。
 世界名作劇場でのTVアニメ版に根強いファンがいる作品です。
 私はTVアニメ版の方は、ほとんど覚えていなくて、原作の方も、今回初めて縮訳版を読みました。
● 縮訳版で読んだことある

No.2 (2004年03月19日00時31分39秒) お名前:コマンダーインチーズ

アニメは子供の頃、見ていたような、いなかったような。 ● ない

No.3 (2004年03月19日07時36分30秒) お名前:ないが

アニメで知ってる。 ● ない

No.4 (2004年03月19日07時37分48秒) お名前:ひろき(H.O.)

アニメのほうも、よくわかりません。 ● ない

No.5 (2004年03月19日09時00分43秒) お名前:野々村武

本はないです。テレビで見たことがある。● ない

No.6 (2004年03月19日22時54分48秒) お名前:おみっちゃん

うーん、記憶に無い。
もしかしたら絵本で読んだ事あるかも知れん。
● ない

                投票・コメントありがとうございました。
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アニメ フランダースの犬    講談社英語文庫
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フランダースの犬 その愛と涙
   ―ネロとパトラッシュが歩いたアントワープとホーボーケン村
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 (相互紹介)睡眠開発計画

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  SAKAIアインシュタイン先生と同じ、ロング・スリーパーです。」
             http://sfclub.web.infoseek.co.jp/mm025.htm

 

メルマガ天国さんのアンケートで、「よかった」に2票頂きました。ありがとうございます。

アンケート結果
回答1 2票 (100%)
 
回答2 0票 (0%)
 
回答の意味はマガジン本文をご覧ください。特に指示がなければ回答1は「よかった」、回答2は「よくない」を意味します。


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     まぐまぐより 91人(+4)
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