ヒトはなぜ学問するのか
(バックナンバー 14)
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第14号 本当に役に立つ高校理数(4)
〜〜まず電気のイメージをつかもう〜〜
2004.06.20
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相互リンクして頂きました!
(永井俊哉ドットコム)
学問の世界を、専門の垣根を超えて縦横無尽に冒険。
メルマガ『縦横無尽の知的冒険』を発行。
http://www.nagaitosiya.com/
折角永井俊哉ドットコムさんと相互リンクして頂いたというのに、休んでばかり
で申し訳ありません。
催眠療法に寄り道したりしておりましたが、ようやく大学通信学部の終了にめど
がたってきました。
あと、単位取得テスト1科目の結果待ちと、レポート3科目(うち2科目は結果
待ち)のみであります。
これでようやく、電験3種試験に取り組める……と思ったのですが、8月22日
の試験日まであと2月となっていた!
とりあえず、試験手続きはしてあるので、今回は「理論」に集中し、残る3科目
は来年という作戦にします。
電気についてイメージをつかむいい参考書がないかと書店を探険していると、こ
んな本を見つけました。
イラストで電気のことがわかる本 著者:酒井雅芳 出版社:新星出版社 本体価格:1,170円 |
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この価格の割には、内容は非常に充実しております。
そして、図も文章による説明も豊富であります。
私は高校時代、物理を選択しておりましたが、全然理解できませんでした。
物理の教科書というのは、説明も問題解説も中途半端な感じがして、手にも取り
たくない、といった感じでした。
授業も理解できず、かといって参考書を読む力も意欲もないという、完全敗北状
態でした。
今思うと、理数系をイメージすることができなかったんだと思います。
小説や歴史の教科書を読んでイメージするのは得意だったから、典型的な文科系
人間です。
しかし、現在はいい時代となりました。
文科系人間にも分かりやすい理数系学問の解説書が次々に出版されております。
書店に行けば、イラストも豊富で、説明の文章にも工夫がこらされた入門書がた
くさん並んでおります。
イラストで電気のことがわかる本 著者:酒井雅芳 出版社:新星出版社 本体価格:1,170円 |
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本書も、そのような入門書のうちの1冊であります。
イラストの充実は当然のこととして、文章での説明が詳しいのがうれしい。
教科書では簡単な説明と数式だけで終わっているようなことが、本書では文章で
詳しく説明されております。
高校時代、物理では波動や電気の交流電圧が出てきたあたりからチンプンカンプ
ンとなってしまいました。
交流のイメージが、教科書の簡単な説明では理解できなかったのです。
実行値とは何だ!?なぜ最大値を√2で割るのか!?
こんな辺りでギブアップしてしまったのであります。
ところが、本書では交流のことが基礎から詳しく説明されております。
教科書では数ページで終わっていることが詳しく順を追って説明されているので、
読む分量は多くなりますが、この方が理解しやすい。
そもそも交流電圧とは、向きも大きさも常に変化しているのであります。
この常に変化している交流電圧において、消費されるエネルギーが同じと見なさ
れる直流電圧の値を、交流における実行値というのです。
例えば、直流100ボルトと同じエネルギーを交流で得るためには、実行値10
0ボルトの交流電圧、すなわち最大値100かける√2ボルト(141ボルト)
の交流電圧が必要なわけであります。
家庭に来ている100ボルトの電圧とは実行値をいっているであり、最大値14
1ボルトの交流電圧だそうです。
コンデンサやコイルを使ったRLC回路についてもページを取って詳しく説明さ
れております。
私は高校時代、コンデンサについてさっぱり分からず、ましてやコンデンサ付き
の回路になぜ電流が通るのか全然理解できませんでした。
なお、RLC回路については、電験3種試験でも頻出の分野であります。
まあ、このようなことが実例を交えて分かりやすく説明されております。
こんな本が高校時代、せめて大学時代にあれば、あんなに物理で苦労することは
なかったと思います。
(そういえば大学教養課程の物理も単位を落として取れなかったのだ)
難しいことを難しく説明するのは平凡で、難しいことをやさしく説明する者が実
は実力者だといいます。
本書の著者の実力の片鱗がうかがえる記述があります。
例えば、金属結合を説明するところです。
金属結合といえば、自由電子を介して金属原子が結合した結合です。
私は化学は何とかイメージできたので、この辺は何とか分かったつもりでおりま
した。
ところが筆者によると、金属結合とは、
「電子を粒子としてだけ考えていたのではラチがあかない」そうです。
「自由電子という水の張られたプールがあって、その中に金属原子が規則正しく浮
かんでいるといったような構造なのである。」
ということだそうですが、はっきりした理解は、
「量子力学という非常に難解な領域での話になってしまう」
そうです。
ううむ、金属結合の理解にも実は量子力学が必要だったのか。
他、電位差によって電流が流れることの説明にも、実は量子力学が絡んでくるそ
うです。
ううむ、陰に量子力学ありき。恐るべき存在だ。
もちろん、量子力学の説明は出てきませんが、そこまで理解した上で本書を執筆
した著者。
著者略歴はないのですが、一体どんな方なんでしょう。
現在物理で苦労している高校生や大学生の方には、まず本書のような分かりやす
い入門書でイメージをつかむのが意外と近道かもしれません。
学生時代に物理で苦労した社会人の方にとっても、目からうろこの内容でありま
す。
ヒトはなぜ学問するのか。
身の回りの自然現象、工学現象の仕組みを理解するために。
ゴロで身につくおもしろ電磁気学入門 著者:科学語呂研究会 出版社:講談社 本体価格:1,400円 |
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