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ヒトはなぜ学問するのか

(バックナンバー 13)

∞∞∞∞∞∞∞∞ ヒトはなぜ学問するのか ∞∞∞∞∞∞∞∞
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   第13号 ヒトはなぜ学問するのか(7)
  〜〜人類滅亡5000万年後の生物進化〜〜
                          2004.04.04
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞???!

  相互リンクして頂きました!
永井俊哉ドットコム)               
 学問の世界を、専門の垣根を超えて縦横無尽に冒険。
 メルマガ『
縦横無尽の知的冒険』を発行。
   http://www.nagaitosiya.com/


  発行が滞り勝ちで申し訳ありません。
  冒頭でお知らせのように、『永井俊哉ドットコム』さんと相互リンクして頂きま
 した。
  メルマガ『縦横無尽の知的冒険』は、『教養大学』時代から拝読しておりました。
  いずれ自分もこのようなメルマガを出したいと思っていたものです。
  現在発行しているこのメルマガはまだまだスケールも深さも及びませんが、目標
 にしていきたいですね。


 ●今回の参考図書
   アフターマン―人類滅亡の地球を支配する動物たち』

アフターマン人類滅亡後の地球を支配する動物世界 アフターマン人類滅亡後の地球を支配する動物世界

著者:ドゥーガル・ディクソン / 今泉吉典
出版社:ダイヤモンド社
本体価格:2,400円

  ↑楽天ブックス   アマゾン書店へはこちらから

       旧版のカスタマーレビュー(アマゾン書店)


  これは私にとって、中学以来気になっていた本です。
  なぜ今頃読む決心がついたかというと、現在話題になっている以下の書物の存在
 です。

 『フューチャー・イズ・ワイルド』

フューチャー・イズ・ワイルド驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界 フューチャー・イズ・ワイルド驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界

著者:ドゥーガル・ディクソン / ジョン・アダムス
出版社:ダイヤモンド社
本体価格:2,400円
  ↑楽天ブックス   アマゾン書店へはこちらから


  この著者のドゥーガル・ディクソンが『アフターマン』の作者だ、と知り、これ
 は長年気になっていた『アフターマン』をぜひとも読まねば、と意を決したわけで
 す。

 『アフターマン』について知ったのは、まだ中学生の頃。
  夕食時に見ていたニュースで、どこかの百貨店か博物館で行われていたアフター
 マンの展示会について紹介されていたのです。

  人類が核戦争で滅亡後、生き残った生物の進化の結果生まれた生物……というも
 のでした。
  模型だったか絵だったか、その辺は定かではないのですが、紹介された生物は
 気味なものばかりでした。
  未来はこんな不気味な生物ばかりになるのか、とショックを受けました。
  なぜか、生き残った人類の末裔、という生物も紹介されていました。
  その生物というのは、真ん丸い大きな頭部から直接手足が出ており、頭部の下部
 に顔がついている、という不気味なもの。
 『ウルトラセブン』に出てきたチブル星人を思い出しました。

  このニュースについてはひどく印象に残り、当時中学で強制的に書かされていた
 班日記というのにも書いた記憶があります。
  あの時見たニュースの映像は、ある種トラウマのようになってその後今に至るまで
 忘れることはなかったのです。

  そのニュースを見てからしばらくして、新聞の書籍広告欄に『アフターマン』が
 掲載されました。
  出版社は、旺文社。価格は、当時の自分にしては値の張る価格だったように思い
 ます。
  早速切り抜いて、当時始めたスクラップ帳に貼り、眺めていました。
  書店も図書館もない田舎の町ですから、読みたくても読めないわけです。
  本は読みたいときに読むべし!

  というわけで、長年忘れることなかった『アフターマン』をようやく読むことが
 できました。
  本自体は絶版になっていましたが、図書館で借りることができました。
  旺文社版を改訂した太田出版版です。

 (その後太田出版版も絶版となりましたが、最近3たび復活しました。)

アフターマン人類滅亡後の地球を支配する動物世界 アフターマン人類滅亡後の地球を支配する動物世界

著者:ドゥーガル・ディクソン / 今泉吉典
出版社:ダイヤモンド社
本体価格:2,400円

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       旧版のカスタマーレビュー(アマゾン書店)


  冒頭、生物の歴史進化の歴史について、詳細な記述があります。
  この知識に基づいて、ディクソン先生は、人類滅亡後の生物の進化をシミュレー
 ションしていくわけです。

  しかし、なぜ人類が滅亡したのだろうか。
  中学生時代にニュースで見て以来、アフターマンは核戦争後の地球と生物を舞台
 にしていると思い込んでいたのですが、どうやら違うようです。
  核戦争という記述は一度も使われていなかった!
  とすれば、天変地異か小惑星爆発か!?それともウイルスによる伝染病か!?
  砂漠化が人類滅亡の一つの原因になった、という記述もあるのですが……。

  一番ショックを受けた、人類の末裔というのも捜したのですが、それについての
 記述もありませんでした。
  私の記憶は何だったのだろうか。記憶は嘘をつく。
  ひょっとして、本とは違う展示会独自の出し物だったのだろうか。


  ディクソン先生には、
 『マン・アフター・マン

マンアフターマン未来の人類学
著者:ドゥーガル・ディクソン / 城田安幸
出版社:太田出版
本体価格:2,816円
   ↑楽天ブックス   アマゾン書店へはこちらから


 という、人類の進化を描いたシミュレーションもあるようですが、この本の出版は
 もっと後のことになります。

 ともかく、こういった記憶違いもありましたが、なかなか興味深い本でした。
 絵がきれいで、本当に存在している動物を描いた動物図鑑のようです。
 一部グロテスクな生物もありますが、大概は現在存在する生物の面影を留めてお
ります。

  何と5000万年後では、シカが絶滅してウサギがシカのように進化しております
 (ラバック)。
  そしてネズミが進化した肉食動物ファランクス)がラバックを襲っております。
  南極海ではクジラが絶滅し、代わりにペンギンがクジラのように進化しておりま
 す(ヴォーテックス)。
  肉食ガエル(オークリーフ・トード)が寄生虫によって色が変わる、などという
 見てきたようなリアルな記述もあります。

  不気味な生物といえば、ヒヒから進化した肉食動物ラブーン、巨大な蛇ファット
 スネーク、砂漠に住むリーピング・デヴィル、そしてコウモリから進化したナイト
 ・ストーカーでしょう。
 
  こういった生物の進化を、科学的知識に基づいてシミュレーションしているわけ
 です。

  地質学的環境的な要因を考慮して動物の進化をシミュレーションしているので
 すが、植物の方は大きな進化はなかったのでしょうか。
  植物学者が考えたとしたら、小動物を捕食したり動き回ったりする植物をシミュ
 レーションするかもしれません。

  また、知的生命は出なかったのでしょうか。
  本書でもサルの末裔が登場しますが、これらが知性を持って新たな人類とはなら
 なかったのでしょうか。
  映画『サルの惑星』では、実験用のサルが知性を持って人類を支配することにな
 りました。

  イルカも知性を持っているようで、人類滅亡後はイルカが文明を築く、とした説
 もあったようでしたが。
  やはり人類のような文明を持って環境を変える知的生命体は自然界における
 突然変異体だったのでしょうか。

  ともかく、進化論といえば、過去に起こった進化について考えることが多いので
 すが、未来に起こるであろう進化をシミュレーションするのも面白いことです。
  高校生物では進化論を外すとか外さないとか言われておりますが、知的好奇心を
 刺激する分野でもあるし、科学の宗教支配からの独立の象徴でもある意義ある分野
 です。
  
創造論の時代に逆戻りしては大変です。
  
科学的思考を身に付けるためには、絶対に学んでおくべき必須事項でしょう。

 

 ヒトはなぜ学問するのか。

  我々はどこから来てどこへ行くのか。
  進化について考えることは、来し方行く末を考えること。
  科学的知識を使って未来をシミュレーションしてみよう。


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   また、TOSON さんが、私がずっと疑問に思っていた人類の末裔について、説明して下さいました。
          http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=viewthread&bbsid=5492&mid=30


      

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