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ヒトはなぜ学問するのか

(バックナンバー 11)

∞∞∞∞∞∞∞∞ ヒトはなぜ学問するのか ∞∞∞∞∞∞∞∞
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   第11号 ヒトはなぜ学問するのか(6)
  〜〜全ての世代のための“検定外中学教科書”〜〜
                             
2004.02.15
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  前回のメルマガにおいて、高校生の理数系科目の不振について取り上げました。
         http://usosakai.cool.ne.jp/mm010.html

  これに関して、掲示板にご意見が寄せられました。
         http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=view&bbsid=5492&mid=20

  ご意見、ありがとうございます。
  問題は高校から始まるのではなく、小中学校時代から始まっているのですね。

 >中2でやっていた不等式は高校に移行し、解の公式も高校に移行しました。/

  この指摘には呆然とします。政治と同じように、教育も先送りです。
  一体中学数学では何を習っているのでしょうか。

 >今、高校一年の娘の数学を見ているとちょうど2.3年前の中3がやっていたことを
 高校1年でやっています。/

  科学はどんどん発展しているのだから、むしろ年を経るごとに教えることは増え
 ていくはずです。
  それが逆に減っていっているとは、どういうことでしょうか。

  一般のニュースでも、クローン技術半導体やら脳科学など、最先端の科学ニュ
 ースはどんどん報道されます。
  このようなニュースの簡単な概念でも分かるようにしないと、将来の日本の研究
 はどうなってしまうのでしょうか。

  メルマガ第5号で、一次変換について取り上げました。
           http://usosakai.cool.ne.jp/mm005.html
  私が高校時代に苦しめられた一次変換も、今ではやらないんですね。
  これはうらやましい……もとい、こんなんでいいのか!?

  しかし、計算法だけ教えて概念の意味について教えない方法では、なくなるのも
 時間の問題だったのかもしれません。
  単なる計算方法や公式や問題の解き方だけを問題の解き方受験テクニックとして
 教えるのではなく、意味意義数学的思考方法までをテーマとすることが必要だったのです。


 >それにそんなに総合がすばらしいならば何で文部科学省の高官や教育委員会の人
 間は自分の子供を公立中学校に通わせないのか。
  ほとんどの子供は私立に通っている。
  自分が考え出して自分が使わないというのは、ダメだとわかっているから通わせ
 ないのではないか。
  日本の国民を愚民化させておいて自分たちの子供だけを将来のエリ−トにしよう
 という意図
が見え見えである。/

  本当にそうです。
  こういった愚民政策に引っかからないよう、自助努力していきましょう。

  まつさん、ご意見ありがとうございました。

  掲示板では今後も色々なご意見ご感想をお待ちしております。
       http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=bbsidx&bbsid=5492

  また、前回のメルマガでは、アンケートを行いました。

 質問: 文科省が高校3年生を対象に行った学力テストでの
    理数科目の不振という結果をどう思いますか。


  多数の方の回答・アンケートを頂きました。
  色々な方のご意見を読むのはやはり勉強になります。
  前回のメルマガでは、
  (1)そもそもこんなテストが当てになるか
  (2)テストの点が良いとそれでいいのか
  (3)やはりまずいのではないか


  という理由を私なりに考えてみました。
  実際に色々なコメントを頂くと、自分一人では思いもよらない面に気付くことも
 あります。

  アンケートの結果とコメントにつきましては、掲示板に転載させて頂きました。
         http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=view&bbsid=5492&mid=24


  現在の小中高校生もいずれ大学生となり、研究家となる人が出てくるでしょう。
  そんな時、小中高校時代の体験が物を言います。
  愚民政策ともいえる学校教育を突き抜けて自分の知的欲求の赴くまま学問を楽し
 んでいきましょう。

  ●今回の参考図書
       新しい科学の教科書 1―現代人のための中学理科
          検定外中学校理科教科書をつくる会 (著), 左巻 健男(執筆代表)
                                 文一総合出版  2003年2月

新しい科学の教科書(1)第2版現代人のための中学理科 新しい科学の教科書(1)第2版現代人のための中学理科

著者:検定外中学校理科教科書をつくる会
出版社:文一総合出版
本体価格:1,200円

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  これは、中学理科の教科書であります。
  しかし、検定合格を目指したものではありません。
  ですから、検定外教科書です。

  >重要概念でありながら現行の学習指導要領からは削除されて検定教科書では学べ
 ない内容
が、本書では積極的に盛り込まれている。/


 ……とあります。

  ううむ、これが中学理科か。なかなか盛り沢山だ。

  私、小中高校生時代、理科や数学の教科書について、変なものだと感じておりました。
  理科や数学の教科書とは、それを読むだけでは何の役にも立たない味気ないものでは
 なかったでしょうか。

  数学の教科書なんて、どんな意義があるのか、何の役に立つのかという数学的
 思考も身につかないし、かといって読んでも問題の解き方も解答も分からない。
  単に簡単な公式と解き方と解答のない問題だけが載っている役立たずの存在であり、
 市販の参考書や問題集の方が余程役に立つ存在であります。

  理科についても同じこと。
  結論だけは書かれておりますが、そこに至るまでの課程が書かれておりません。

  本当に数学や理科の教科書は、読書するには退屈で、問題を解くにも役に立たな
 いという役立たずでありました。

  それは国語や英語の教科書についても言えることです。
  自学自習を目的とせず、教室で教師が教えるテキストという性格上、仕方のないこと
 かもしれません。

  ところがこの検定外中学教科書は、読んでいて非常に面白いです。
  きっちりと結論を導くまでの課程や解説がなされております。
  それはまた、自学自習に十分耐えられるということであります。

新しい科学の教科書(2)第2版現代人のための中学理科 新しい科学の教科書(2)第2版現代人のための中学理科

著者:検定外中学校理科教科書をつくる会
出版社:文一総合出版
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  例えば、「はじめに」の部分ですでに、ニュートンが行った太陽光のプリズム透
 過実験について詳しく説明されております。
  なるほど、科学ではこんな風に
   仮説→実験→証明

 という課程をたどっていくのか。

  古代ギリシャ時代から続く
 「なぜ物体が見えるのか?」

 という問いかけについても、歴史各種学説のスケッチが紹介されております。

  「理科」という科目は、最初から存在していたのではありません
  古代から少しずつ解明されていき、その蓄積がひとまず教科書として教えられて
 いるわけです。

  現在の理科教科書は、ひとまずコンセンサスが得られた現在の科学の基礎的事項
 であり、将来付け加えられることもあるでしょうし、ひょっとすれば書き換えられ
 ることもあるかもしれません。
  そういったドラマチックな科学の発展の一断面が、理科の授業だと思えば興味出
 てこないでしょうか。


 >単に現象を調べたり知識をまとめるだけでなく、背後にあるメカニズムにできる
 限りふみこんで解説しているため、興味に応じてどんどん学習を深めていける。/


  そうなんです。この教科書、結論に至るまでの実験や過程なども書かれており、
 順序立てて筋を追っていけます。
  科学の考え方とはこのような順序を追っていくのか。
  大人が読んでも面白いです。

  第1章「光と色の世界」
  第2章「音の世界」


  光や音については高校物理でも習います。なかなかとっつきにくい分野です。
  この教科書で書かれていることは、高校物理でも役に立つでしょう。

 >ごく最新の知見や身近な事例は、発展的な内容であってもコラムなどの形で柔軟
 にとり入れて紹介。/


  そうです。元来そうするべきです。

  この教科書は、全ての世代にとっておすすめできます。

 大人……知的好奇心を満たし、科学的思考法を再確認するために。
      子どもと一緒に読むとなお良し
 大学生……科学的思考法の基礎を確認するためにも。
 高校生……理科とは元来こんなに面白いものだ、と確認。
       高校理科にも十分役に立つ。
 中学生……検定教科書なんかよりこちらの方が余程面白いし役に立つ
 小学生以下……百科事典を読む感覚で、分かるところだけでも
          何度も拾い読みしてみよう。

 

新しい科学の教科書(3)現代人のための中学理科 新しい科学の教科書(3)現代人のための中学理科

著者:検定外中学校理科教科書をつくる会
出版社:文一総合出版
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  この本を読んでいて、学研の「○年の科学」を思い出しました。
  今思うと、あの雑誌は、その学年に応じた科学的思考を養ってくれていたんだな
 あ。

  「科学」に限らず、以前は学年別学習雑誌というのがありました。
  学研の「科学」と「学習」と「コース」、旺文社の「時代」、小学館の学年別学
 習雑誌
……。
  現在もあるのでしょうか。

  現在の小中学生は、このような学習雑誌でなくマンガ週刊誌なんかを読んでいる
 のでしょうか。
  これもまた学力低下の原因であるかのような……。
 

  ヒトはなぜ学問するのか。

  知的好奇心と科学的思考法は全ての世代にとって必要なり!
 

………………………………………………………………………………………

 【日本の若者が体験した受験戦争を知る本。もはや戦後となったのか。】

立志・苦学・出世受験生の社会史 立志・苦学・出世受験生の社会史

著者:竹内洋
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立身出世主義近代日本のロマンと欲望 立身出世主義近代日本のロマンと欲望

著者:竹内洋
出版社:日本放送出版協会
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  【今週の科学ニュース!】

  今回から、私的にインパクトあった科学ニュースがあれば紹介していきます。
  1月遅れの新聞を読んでいてすみません。

 【「第二のDNA」解明に光
    細胞分裂時情報を伝達 ヒストン追跡】(2004.01.09 朝日新聞)

  DNAは普通、ヒストンというタンパク質に巻きついております。
  細胞分裂時、DNAと一緒にヒストンも複製・分裂して均等に分かれて伝わる
 ことが 解明されたとか。
  情報伝達
にとって重要な発見ということで、

  「生物学の教科書が変わるほど大きな発見だ」
  という研究者のコメントも載っております。

  実は私の大学時代の専門は生命科学でした。
  当時はDNAが主人公で、ヒストンについてはDNAが巻きついているタンパ
  ク質だ、ということで終わりとなり、脇役の存在でありました。
  脇役が脚光を浴びているようで、示唆に富むニュースであります。
   

  学問について考える掲示板
   今回のメルマガに関して以外でも、ご意見ご感想お待ちしております。
   『明日があるさ THE MOVIE』の感想書いております。
       http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=bbsidx&bbsid=5492

 

好きになる理科系科目便利で役立つ理系の知識 好きになる理科系科目便利で役立つ理系の知識

著者:平田雅子
出版社:講談社
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  物理・化学・数学・生物について、身近で興味深い話題を各科目10話ずつ。
   クラスに同じ誕生日の人はいるか?―おもしろい確率の話
    電車の中でジャンプすると……―身近な「慣性の法則」の話
   犯人を取り押さえろ!―科学的推定方法の話
   種なしスイカのタネはどこで買えばいい?―単為結実の話

   など、気楽に読めて物知りになるエピソードの50話。
  中学生から社会人まで楽しめます。
 

  1日10分の“超聴き”でTOEIC!?
     試験後休んでおりましたが、再開しました。
     HPにてレポート報告します。
         http://usosakai.cool.ne.jp/toeic.html


   私が発行しているもう一つのメルマガ
  「少年少女 世界の名作文学」もよろしくお願いします。
  最新号は、『アルフォンス・ドーデのタルタラン三部作』
         http://usosakai.cool.ne.jp/mmm.html
 

  (相互紹介)睡眠開発計画

   睡眠を、
    心身の健康・願望達成や創造力開発・潜在能力開発
  に活用する方法 を模索。
   一緒に目標を達成しようというMLも併設。
       http://sfclub.web.infoseek.co.jp/sleepdeveloper.htm



   最後に……辛口読者の採点コーナー

   前回、「合格」に一票頂きました。ありがとうございます。

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 今回のメルマガを採点して下さい。講評もお願いします。

 ◆合格じゃろう。     1人 100%

 ◆うーん、微妙なところじゃろう。   0人 0%

 ◆不合格じゃろう。    0人 0%

 ◆その他(コメントお願いします)   0人 0%   

  なお、コメントはありませんでした。

   開始日:2004年02月15日/締切日時:2004年02月23日18時

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