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ヒトはなぜ学問するのか

(バックナンバー 7)

∞∞∞∞∞∞∞∞ ヒトはなぜ学問するのか ∞∞∞∞∞∞∞∞
      HP: http://usosakai.cool.ne.jp/mm.html
バックナンバー: http://usosakai.cool.ne.jp/mm00.html

      第7号 ヒトはなぜ学問するのか(3)
        〜〜数学で怪獣退治!〜〜
                              2003.11.30
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  USO SAKAIです。
  元来、本メルマガの主力シリーズ「本当に役に立つ高校理数」では、難関とされ
 ている「電験3種」の資格試験が高校の理数科目と密接に関係しており、高校の理
 数科目が実際に役に立つ
ことを見ていく予定でありました。

  実を言うと私は現在、ある資格を取得するため、大学の通信制講座で学んでおり
 ます。
  所定の期間で終了できなかったため、半年の期間延長中であり、現在ラストス
 パート中であります。
  そんなこともあり、電験3種の試験勉強ははひとまずお休みしております。
  しばらくはこのメルマガでも電験3種シリーズは始まりませんが、必ずや始めま
 。しばらくお待ち下さい。

  また、来週から3週間、大学通信学部の日曜スクーリング(必修)が始まります。
  そのため、その期間はメルマガ発行をお休みさせて頂きます。
  次回発行は12月28日から30日の間にさせて頂きます。
  ということは今年の発行は今回を合わせて2回となります。
  本年はありがとうございました。
  来年もまたよろしくお願いします。


  ●今回の参考図書
   数のモンスターアタック  芳沢光雄
              文春ネスコ  2003年8月8日発行

 

数のモンスターアタック
著者:芳沢光雄
出版社:文春ネスコ/文藝春秋
本体価格:1,600円

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  前回、「数学思考でビジネスチャンスを読む!」を取り上げました。
    http://usosakai.cool.ne.jp/mm006.html

  その本において、秀逸なビジネス数学入門を書かれておられた芳沢光雄さんの
 著書であります。
  この方色々と面白そうな著書を出しておられるようで、また宣伝上手な方であり
 ます。


 >また、執筆者の芳沢光雄さんは、かつて出版した自分の著書から色々と面白そ
 うな実例を引用しておられます。
  著書のさりげない宣伝みたいになっていて、その手には乗らないぞと思いなが
 らもつい引っかかってしまいます。いつか必ず読んでみようと思っております。/


  と私自身書きましたが、早速読んでみました。


  この『数のモンスターアタック』については、以前、何かの書評コーナーで、著
 者自身が紹介しているのを読んだことがあり、印象に残っておりました。

  子どもたち数学の面白さを知ってもらうためにロールプレイングゲーム的な数
 学の本を書いたが、あまり売れていない、と嘆いていたような記事でした。
  数学のロールプレイングゲームとはどんなんだろう、と気になっていたのですが、
 あの芳沢さんの本だと知り、早速借りてみたわけです。

 図書館に行くと、児童書コーナーに置かれてありました。


  (登場人物)
 サム……力の強い大柄な男の子
 ケン……アイデア豊富で特に算数や数学が得意な男の子
 レナ……何事にも活発な女の子
 メメ……みんなのまとめ役となっている女の子


 (あらすじ)
  学校から帰ってきた仲良し4人組がいつものように山のふもとで遊んでいると、
 激しい夕立となる。
  雨宿りの場所を探しているうちに、立入りが禁じられている巨大な岩に近づいて
 しまう。

 「勇敢な子どもたち!きみたちを願いごとが何でもかなう、夢の世界へ招待しよう!
 しかしそこへ行くには、ひとつ条件がある。その前に
恐ろしい怪獣が住む13の世界
 を通らねばならん。13の世界を無事通過できた者だけが、
夢の世界へたどりつくこ
 とができるのだ。」


 ……という低くしゃがれた男の声が響いてくる。
  4人は夢の世界目指して、13の怪獣退治に出発するのであった……。


  というわけで、13の物語が始まるわけです。
  大体、1つの章につき2つの謎解きがあります。
  まず、その世界の怪獣についての情報を得るための謎解きをし、次に怪獣退治が
 始まります。
  私も挑戦するつもりでしたが、これがなかなか難しい。私なら怪獣に倒されてる
 な。

  ネタバレになるから謎解きについて詳しく触れられませんが、なかなか高度な問
 題です。
  それでいて数学の概念をうまく使っているのだから、説明されて納得いきます。
  推理小説を読むような楽しさです。


  しかし、この物語の4人、何でこんな難しい問題を簡単にクリアーするのでしょ
 うか。この4人は数学の研究者か!?
  トポロジー双子素数なんて、普通は思い付かないぞ。
  私は、怪獣に倒されることよりも、子ども達が簡単に解いた問題が解けなかった
 ことが悔しい。

  いやまあ、物語の進行上のことだから……。
  この子ども達、何歳くらいという設定なんでしょうかね。

  この本自体、児童書コーナーにあり、主人公も子ども達ですが、むしろ数学を一
 通り勉強した大人が読めば、より楽しめると思います。
  ネタがある程度分かっているだけに、種明かしをされると、あああのことか、と
 ニヤリとなります。
  子どもさん方は、意味が分からないなりに、将来こんなことも習うのか、と軽い
 感じで読み流していればいいでしょう。


  しかし数学による謎解きミステリー、なかなか面白い。
  よく、推理の材料を与えておいて「読者に挑戦」する本格ミステリーがあります
 が、数学を使った謎解きミステリーというのも面白そうだ。

  また、SFに数学を使うというのも面白い。
  SFとはサイエンス・フィクションであり、サイエンスとは自然科学のこと。
  数学もサイエンスだから、立派にSFのテーマとなります。

  読んだことありませんが、以前から気になっていた本です。 

      http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4092510063/nazegaku-22

  『博士の愛した数式』という本も気になっています。

  怪獣退治の話に戻ります。
  最後、<13の世界>では、「新15ゲーム」が謎を解く鍵となります。

 「分かったよ。じゃあ、まず、みんなにこのゲームを説明するね。このゲームは、
 15ゲームが簡単だと思う子どもたちに対して、考える楽しさを教える目的をもっ
 て、
数学者の芳沢光雄が作ったものなんだ。」

 ……と、またまた宣伝上手なんだから。
  指示通り検索すると、このページが出てきました。

      http://math.josai.ac.jp/fun/yoshi15/yoshi15j.html

  目出度く13の怪獣を倒した4人は、ついに夢の世界に辿り着き、各々が個性的
 な願いごとを希望します。

 「私たち四人ともそれぞれの個性にあったことを願っているわね。(中略)
  人間は100人いれば、100人とも違う顔をして違う人生を持っているけど、
どんな
 
人もその人が一番輝くものを必ず持っていると思うわ。それが個性というものね。
 私たちも
一番に輝くものを、より輝かせるような人生を歩むことが大切なのね。さあ、
 みんなで夢の世界へ行きましょう」


 というメメの言葉が締めくくりです。

  これは、

 「現実的な夢と非現実的な夢との見境がはっきりしない子どもたち個人個人の夢を
 
大切にすることが、将来各人が面白いものを創造することにつながっていく

 という著者の信念を述べたものだそうです。

  ヒトはなぜ学問するのか。

  13の世界での冒険を学生生活での学業、「夢の世界」を、「人生における天職」
 と考えて、この物語を、人生の暗喩ととらえることもできます。
  自分のやりたいこと・適していることを見つけるために学業に励む、ということ
 もあるわけであります。

  さあ、夢の世界目指して謎解きの冒険に出発しよう!


  学問について考える掲示板
  ご意見ご感想お待ちしております。
     http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=bbsidx&bbsid=5492


  1日10分の“超聴き”でTOEIC!?
    HPにてレポート報告します。
     http://usosakai.cool.ne.jp/toeic.html




 最後に……辛口読者の採点コーナー          

    質問: 今回のメルマガを採点して下さい。講評もお願いします。

  ■合格ですわ。            0人 (0%)
  ■うーん、微妙なところですわ。   0人 (0%)
  ■不合格ですわ。           0人 (0%)
  ■その他                0人 (0%)

    開始日:2003年11月30日/ 締切日時:2003年12月08日18時

    コメントもありませんでした。まさにゼロからの出発。

 

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